お菓子作りに無塩バターが必要な理由

無塩バターは、文字通り塩を加えていないバターで、原料は生乳やクリームのみで構成されています。一方、有塩バターには1〜2%程度の塩が加えられており、保存性が高く、味に塩味がついています。お菓子作りでは味の調整が重要なため、塩分を含まない無塩バターが好まれるのです。

お菓子のレシピでは、甘さや風味、食感など繊細なバランスが求められます。無塩バターを使うことで、塩分量をコントロールしやすくなり、他の材料との調和をとることができます。また、レシピによっては塩をほんの少量加えることで味を引き締めるため、その加減を自分で決めるには無塩バターが適しています。

無塩バターは水分が少なく、純度の高い脂肪分を含んでいるため、生地のバランスが崩れにくく、焼き上がりも安定します。クッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子では、サクサク・しっとりとした食感を再現しやすくなるのが利点です。

無塩バターは、ケーキ、タルト、クッキー、マドレーヌなど、さまざまな洋菓子で使われています。それぞれのレシピにおいて、風味を引き立てたり、生地の構造を整える役割を果たします。例えばマカロンでは、無塩バターを使うことでメレンゲの軽やかさを損なわずに仕上げることができます。

無塩バターは、乳本来の風味をしっかり感じられるため、お菓子に豊かなコクを加えることができます。また、有塩バターでは塩分によって味の輪郭が変わるため、繊細な風味が求められるお菓子には不向きとされることもあります。

無塩バターと有塩バター、どっちを選ぶべき？

有塩バターは、トーストに塗ったり、ソテーや炒め物に使う料理に適しています。料理に直接塩味を加える効果があるため、風味付けとして便利に活用できます。フレンチトーストやガーリックバターライスなどでも風味が際立ちます。

お菓子やパンなど、緻密なレシピが必要な場面では無塩バターが必要です。とくに、焼き菓子や発酵パンでは生地の膨らみに影響するため、塩分を自由に調整できる無塩バターの使用が基本とされています。

無塩バターがない場合は、有塩バターを使っても構いませんが、その際にはレシピに記載された塩の量を減らす必要があります。一般的に、有塩バター10gに対して約0.1〜0.2gの塩分が含まれているため、それを加味して全体の塩分量を調整しましょう。

未開封の無塩バターは冷蔵庫で保存し、賞味期限内で使用するのが基本です。開封後は空気に触れないようにラップや密閉容器に入れて、冷蔵庫のチルド室など低温で保管すると1ヶ月程度の鮮度を保てます。

バターは温度によって性質が変わります。冷たい状態ではカチカチで扱いにくく、溶けすぎると乳化がうまくいかないため、使用前には常温に戻しておくのが理想的です。特にクリーム状に混ぜるバターケーキなどでは、温度管理が仕上がりを左右します。

無塩バターは有塩バターに比べて保存性が低いため、冷凍保存も活用すると便利です。小分けにしてラップに包み、ジップ付き袋に入れて冷凍しておけば、約3ヶ月保存可能です。使う際は冷蔵庫で解凍し、自然に戻してから使用しましょう。

無塩バター100g、砂糖50g、小麦粉150gを混ぜてひとまとめにし、形を整えて180度のオーブンで約15分焼くだけ。サクサクの食感とシンプルな甘さが魅力のクッキーです。

無塩バターと粉糖をすり混ぜたあと、小麦粉とアーモンドプードルを加えてまとめます。冷蔵でしっかり寝かせることがホロっとした食感の秘訣。焼くときは150度でじっくり低温焼きするのがポイントです。

パン生地に無塩バターを後入れすることで、グルテンの形成を妨げず、ふわふわ食感に仕上がります。また、表面に塗って焼くと香ばしい風味がプラスされます。

無塩バターは、お菓子作りの風味と仕上がりをワンランク上げる素材です。素材の味を活かすお菓子にこそ、その力が発揮されます。

基本のレシピを覚えるだけでも、応用の幅は広がります。焼き菓子、冷菓子、発酵パンなど多彩なレシピに挑戦してみましょう。

冷凍保存や小分け管理を工夫することで、いつでも最適な状態で使用できます。料理にも活用できるため、常備しておくと安心です。